Column コラム

美容外科医の本音。「美人なのに、なぜ美容医療を受けるの?」
今日は、私が美容外科医として印象に残っている患者さんのお話をしたいと思います。もちろん、個人が特定されないよう内容には十分配慮しています。
ありがたいことに、足しげく通っていただいている方で、特にヒアルロン酸で通っていただいてる方のお話になります。
とてもお綺麗な方で、率直に言うとめちゃくちゃ美人なのですよね。
美容外科医として多くの方のお顔を診てきた私から見ても、非常に整ったお顔立ちです。
それで、お悩みはというと、決まってお顔の特に目の下周辺の左右差のことをしきりに仰られている印象です。
毎回、ご自身なりにこうすればもっと良くなるんじゃないか、という仮説を立ててきてくれていて、それに対して医師としての立場からお話をし、実際の治療提案をさせていただく、という流れになっています。
そのような流れで、先生のおかげでここは改善した。次はここが気になるから来ました。という感じです。そんな感じで、なんだかんだ月に一回ほどご来院いただいております。
それで、当の彼女はというとですね、むしろ左右差は少なく、めちゃくちゃ美人なんですよ。
そのような方に対峙する美容外科医として3パターンあると思います。
①十分綺麗だから何もすることないよ、お帰りなさい。
②ああ、確かにこれは大変だ。これとこれとこれとこれのコンビネーション治療がいいですよ。1回100万円です。10回はやった方がいいです。
③仰る左右差は誰にでもある程度のもので、客観的に問題になるようなレベルのものではありません。ただ、ご自身の中でどうしても気になるというなら、このような治療提案があります。
①はその先生の主観を主張しているだけで、何も解決になっていないし、何より患者さんに寄り添えていません。「十分綺麗だから何もしなくていい」という結論だけでは、患者さんがなぜそこを気にしているのかという部分に向き合えていません。
②は患者さんの不安を必要以上に煽って、必要以上の治療を勧めてしまうケースです。私は「美容医療としてやってはいけないこと」だと思っています。
③はお悩みを傾聴した上で、診察上の客観的事実とご本人のお悩みをどのようにすれば解決できるのかを一緒に考え、治療提案をしています。
当院ではもっぱら③をやっているのですね。
特に彼女の場合、絶対にやり過ぎたくない・分からないくらいに自然がいい、などご本人の性格や性質、さらに背景があります。そこまで考えての治療提案なのですよね。
めちゃめちゃ美人でも自身の容姿に悩みというのはあるものですねー。
というのと同時に、私も職業柄お金持ちにみられることが多いのですが、実情は全くそうでないので、似たようなものなのかなーと改めて感じた次第です。
ちなみに、かくいう私なのですが。お金持ちに見られるが故に各方面から盛大にぼったくられてきました。
いまだに私個人の携帯電話には、ぼったくりのような営業電話が1日に何件もかかってきます。本当に必要な電話を取り逃してしまうこともあり、もはや事業に影響が出るレベルです。
騙されたその損害額は3桁どころでは済みません。ゆうに4桁万円です。
その度に、それはそれはとてもとてもやりきれない思いをしてきました。
お金は大切です。本当に。どれほど辛かったか。悔しかったか。
それを痛いほどわかっています。
美容医療は、患者さんにとって決して安い買い物ではありません。
なので、当院ではボッタクリは絶対にやりません。それをやるくらいだったら自分が破産したほうがマシだとさえ考えています。
私は患者さんに必要のない治療を勧めてまで利益を出そうとは思っていません。
必要のない治療を勧めないので、利益を最大化するような経営にはなっていません。
だからギリギリです。
先日からのこの一連のブログで一貫して申し上げていることなのですが、「適正な価格で、必要な治療だけを提供して、クリニックをきちんと経営することは、思っているほど簡単ではない」どころか、もはや相当に難しいのです。
そして、当院はヒアルロン酸・ボトックスに関して本格派志向です。
だからこそ、価格も下げられないという実情があります。
相場と比べて値段が高いのには、理由があります。
本格派志向であるということ。一人一人に時間をかけ、向き合えること。
必要な治療を、必要な時間をかけて、必要な技術で行う。そのために必要な価格をいただく。これはぼったくりとは全く違うと思っています。
逆に、価格を下げて薄利多売のような形にすれば、患者さんはたくさん来てくださるかもしれない。だけれども一人ひとりに真剣に向き合う時間がなくなり、雑な治療提案や施術になってしまう。
そのような理由で、私は、安ければ安いほど良い美容医療だとは思っていません。
私は、相場より高い設定で、ご来院いただける患者さんの数が少なくても、一人一人に時間をかけて真剣に向き合いたい。
そういう美容医療を実践したかった。
だからこそ大手美容クリニックを退職し、ロレシー美容クリニックを創業しました。
人は、外から見ただけでは分からないものです。
美人にも悩みがある。お金持ちに見える人にも、価値観や苦労がある。
だからこそ、職業や容姿、身につけている物、国籍など、外から見える属性で判断してはいけない。
「あの人は〇〇人だからー」とか「すごい高級バッグ持ってるからー」とかいう会話が本当に嫌いなんですよね。
その人の国籍や身につけているものと、その人が必要とする医療に何の関係がある?って聞くたびに思ってしまいます。ものすごーく嫌な気持ちになります。私自身が職業や立場で値踏みされ、まさにぼったくられてきたからでしょうね。
話が脱線しましたが、少なくとも私は、そんなクリニックにはしたくありません。
当院は絶対的にフェア(公平)でありたい。
そのような思いで、運営しています。
ブログですが、書き出すと止まらなくなってしまいますね。
それだけ言いたいことがあったのか、物を書くのが好きなのかわかりませんが、自分でも驚いています。
これからも、美容外科医として日々感じていることや、患者さんにはなかなか伝わりにくい美容医療の裏側について、いろいろ書いていきたいと思います。
この記事を読んで、何か一つでも「なるほど」と思っていただけることがあれば嬉しいです。
ロレシー美容クリニック 院長 福留 斉























